中国への日本酒、焼酎の輸出

中国は、酒類の輸出数量世界第7位(平成24年6月国税庁速報)で、焼酎の輸出量世界第1位(平成24年6月国税庁速報)の国です。さらにワインとウィスキーが世界第2位(平成24年6月国税庁速報)となっています。日本酒よりも焼酎の方が親しまれています。

中国に輸出するためには、輸出酒類卸売業免許が必要となります。また福島の原発事故のため、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川、山梨、静岡産の酒類は輸出できませんが、それ以外の都道府県では産地証明書を添付すれば輸出が可能となります。

中国における輸入規制と手続

(1)中国における日本酒の輸入販売

主に「食品安全法」、「中華人民共和国貨物輸出入管理条例」、「中華人民共和国輸出入食品ラベル管理弁法」(以下「食品ラベル管理弁法」)、「中華人民共和国食品ラベル国家基準」などで規制されます。
食品安全法では、輸入食品は中国の食品安全国家基準に合致しなければならず、輸出入検査検疫機関の検査の合格を経た後、税関は輸出入検査検疫機関が署名発行した通関証明書に基づいて通関を許可すると規定しています。

日本酒の輸入には輸入許可は必要ありませんが、「輸入酒類国内市場管理弁法」に酒類の輸入手続について規定しています。
輸入港の食品衛生、品質監督検査機関による検査に合格したものには、同機関が「輸入食品衛生監督検査マーク」を貼り、衛生証明書(検査合格証)を発行しますので、それをもとに通関手続きを行います。
税関は、同検査合格証をもとに税を徴収した後、通関許可します。

(2)輸入関税およびその他の税

日本酒(HSコード 2206.0090)

  • 輸入関税40%
  • 消費税10%
  • 増値税17%

焼酎(2208.9090)

  • 輸入関税は10%
  • 消費税は焼酎の種類により、5%あるいは20%+1元/kg

(ジェトロより引用)

日本酒に貼り付けるラベルと包装容器・表示

(1)中国国内販売でのラベル表記

ラベルは中国の国家標準(GB)である「飲用酒ラベル基準」GB10344に基づき作成して自己審査をします。検疫の過程でこのラベルが不合格となった場合には、改めて合格するラベルを作成して指定倉庫で貼り直しをすることになります。
製品包装容器の表記については、

  • 加工食品の商品名
  • 原材料名
  • アルコール度数
  • 製造年月日
  • 賞味期限
  • 原産国
  • 保存方法
  • 輸入企業名、輸入企業の所在地、輸入企業の電話番号
  • 内容量等

食品安全法に、「中国が輸入する包装食品は、中文ラベル、中文説明書がなければならない」(第66条)と規定されていますが、必ずしも日本で貼付する必要はなく、輸出者が中文のラベルを作成することが困難な場合、実務的には以下のような手順で対応している場合が多いようです。

a.輸入申告時に、各商品に貼るラベル見本を提出します。 それで問題なければ、輸入通関後に保税倉庫で各商品にラベルを貼ります。
なお、数量が多い場合は、事前に輸入業者を通じて記載内容を確認の上、日本で貼付します。

b.市販用に限らず、業務用原料品にも中文表示が要求されます。

c.日本語のラベルの上に中文表示を貼ることはOKです。 ただし、製造年月日と賞味期限日の表示が要求されます。 日本では通常、賞味期限日しか表示されていませんが、中文ラベルには両方の日付を記載する必要があります。

d.日本のように「個包装紙込み」内容量は認められません。ネット重量を中文ラベルに表示しなければなりません。

e.中文説明書は、現在のところ、あまり厳しく要求されていません。 現在、中国でラベルを貼られている商品を見る限り、原材料等の表示のみで説明書のないものが大半です。

f.添加物は化学名まで詳しく記載しなければなりません。着色料、保存料などは日本で記載しなければならないものとほぼ同じです。

g.ラベルに輸入者の企業登録番号を記載することは必須です。 製造メーカーの登録番号までは要求されていないようです。バーコードは商業上不可欠です。

食品ラベルの表示について、前述の法規の改正もあり、自社でラベルを作成するにあたっては、中国国内で実際に売られている類似品を参考にし、中国の法規に精通した輸入業者に食品ラベル表示の見本や原版を作成してもらい、それに基づいて、食品ラベルを作成することをお勧めします。

(2)包装容器については、食品容器と包装材料に関する中国国家衛生基準に符合していることが必要です。

(3)登録商標を使用する場合は、「注冊商標」の4文字を明確に表記することが必要です。 (ジェトロより引用)

 

 

新たな規定などの施行について

中国は2007年から2008年にかけて消費者保護を目的とした食品の生産と流通に関する新しい規定などを制定・施行しましたので、輸出に際してはこれらの法規を事前に理解をしておくこと、そして輸出契約交渉においては中国の輸入者とこれらの法規に関する留意すべき事項について十分に協議を行いその結果を輸出契約書に明記することが必要です。

(1)有害その他の問題のある食品の回収などに関する「食品リコール管理規定」

(2)製品・生産者・販売者などの正確な表示方法や記載内容を規定する「食品表示管理規定」

(3)健康及び生命の保全を守るための「食品などの安全製品の管理監督についての特別規定」

(4)予め包装された食品の栄養に関する情報を提供するための「食品栄養表示管理規範」

(5)輸出入食品検査検疫監督弁法(草案)
 

※今後、新たに条例が制定されたり、運用方法が変更されたりする可能性がありますので、輸出にあたっては、事前に現地の状況をよく確認して、トラブルを未然に防ぐことが大切です。(ジェトロより引用)


代表者プロフィール

2009 年1 月行政書士事務所開業
行政書士那須法務事務所代表。
行政書士業務の中でも専門的に酒類販売 業免許申請を代行しています。